マダニに刺されたら病院へ❗

今回はいつもの美容ネタとはうって変わって、マダニのお話です。

当院は美容皮膚科も名乗っていますが、実は来られる患者さんは9割以上保険診療で受診されています😉

 

これからキャンプや登山などで屋外で出る機会が増え、マダニに刺される機会も多くなりますので注意が必要です。

マダニに刺された場合は絶対に自分で虫を取ろうとせずに、医療機関を受診されるようにして下さい。

マダニはお腹の中に色々な病気の原因になる病原体を持っている場合があります。

皮膚に付いたマダニを取ろうとして虫の体を押してしまうと、体内の病原体が押し出され、刺されている人間の皮膚に注入されてしまい、ライム病や日本紅斑熱重症熱性血小板減少症候群といった感染症にかかるリスクがアップしてしまいます。

 

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(上記画像は日本皮膚科学会のHPよりお借りしました)

 

また、体にくっついたマダニを無理に取ろうとすると、マダニの口の部分に「口器」というくちばしのような器官があり、大抵の場合そこだけちぎれて皮膚に残ってしまうのです💦

 

先日外来に来られた若い男性患者さんで、まさに口器が体に残ってしまった方が来られたので、ご本人の許可を得て写真などを掲載させていただくことにしました。

 

患者さんは新潟県の渓谷でアウトドアレジャーを楽しまれた後、温泉へ行かれたとのこと。

入浴中に右脇に何か黒いものがついているのに気づき、むしり取られました。。

取るときに「ブチッ」という音がしたとのことです😨❗

取れたものを見ると虫だったので、びっくりしてネットなどで調べられ、マダニかも知れない・・・、と言うことで来院されました。

 

診察時の写真です。 

一見すると右脇にポツンと赤い点のようなものがあるだけに見えます。

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が、患者さんのお話からして、おそらく虫の体だけちぎれてしまって、マダニの口器が残っているであろう、と判断して、切除することにしました。

トレパンという穴あけパンチのようなメスがあるので、赤い点の部分の皮膚を径5mmにくり抜き切除しました。

皮膚をくり抜いた部分はナイロンの細い手術糸で2針ほど縫合します。

 

取れた皮膚組織の病理所見がこちら。

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マダニの口器がバッチリ残っています❗

今まで何例も切除してきましたが、こんなにきれいに口器が見えたのは初めてで、不謹慎ながらちょっと感動(?)してしまいました。

今回の患者さんはちゃんと受診されたので良かったですが、自己判断で虫が取れたと思いこんで、こんなものが自分の体内に残っていると思うとゾッとしますね・・・😱

この口器を残したままにしておくと、後々腫れてきたり、異物性肉芽腫というしこりができてくることがあります。

 

時期柄バーベキューや、アウトドアの遊びなども増える季節です。

山や自然豊かな場所に出かけられる場合は、虫除けスプレー、長袖・長ズボンの着用などで防護して、くれぐれもお気をつけください。

 

そして最後にしつこくもう一度❗❗

万が一マダニに刺されてしまった場合は自分で虫を取ろうとせず、かならず医療機関を受診して下さいね😫

 

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