頭のできもの 炭酸ガスレーザーで治療した例

今回は久しぶりに炭酸ガスレーザーの症例のご紹介です。

頭のできものを除去した例です。

 50代の患者さんで、20年以上前から頭にホクロがあり、徐々に大きくなってきているとのことで受診されました。 診察したところ、頭皮にかなり大きな腫瘍があり、サイズはなんと2.5㎝近くありました。もはや原型をとどめていませんが、このできものはホクロが変化したものです。

↓ ↓  ダーモスコピー像:ホクロの名残で、茶色の色素が多数見られます。

2020年12月の記事↓↓(下にリンクあり)にも書きましたが、頭のホクロは元は黒かったホクロが徐々に変化して、通常の皮膚色や、赤色となることがよくあります。初めは通常の黒い点状のホクロだったのが、この患者さんのように大きく成長していく過程で色が抜けていくことが多いです。

今回の方はかなり大きなできものでしたが、なんとか炭酸ガスレーザーで治療できました。
先ほどリンクを貼った記事では頭のホクロは炭酸ガスレーザー治療が大変お勧めと書きました。基本的にはその通りなのですが、このくらい大きなサイズになるとレーザー施術には注意が必要です。その理由として、炭酸ガスレーザーが止血にはあまり適さない、ということが挙げられます。炭酸ガスレーザーのメリットは、熱による皮膚ダメージが少ないので、毛根を焼かず、ハゲにならないということなのですが、逆に言うとデメリットとして組織をしっかり熱で焼いて凝固させることができないので、止血には適さないのです🩸⚡

このように大きなサイズの腫瘍では、腫瘍を栄養する血管もかなり太くなっていることが多く、レーザー処置のみでは術後に十分に出血が止まらないことがあります。この方も腫瘍自体はレーザーでスムーズに除去できたのですが、腫瘍が取れた部分の下床に太めの血管があり、圧迫止血しても、レーザーで焼いてもジュワッ・・・と血液が滲んで、とにかく血が止まらず少し嫌な汗がでました💦💦 結局最後は手術用のナイロン糸で縫合してしっかりと止血いたしました! この反省を活かし、その後頭の大きめの腫瘍をレーザーで除去する場合、必ず縫合セットも準備するようにしています👌

↓ ↓ 3週間後にはほぼカサブタになって無事に治っていました。


この方は大変律儀な方で、半年後にわざわざ患部の状態を見せに来て下さいました✨

術者としては綺麗に治っているか、問題は起きていないか、その後の経過は非常に気になるので、経過を確認させていただけるのは非常にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです😄

↓ ↓ 半年後:どこに腫瘍があったか分からないレベルで綺麗になっています✨✨ もちろんハゲになっていません。

先ほどリンクを貼った2020年12月の記事は2年半も前の投稿なのですが、実は当ブログで現在も不動のアクセス数一位を誇る人気の記事なのです。 頭にできものができて取りたいけど、手術はハゲができるので避けたい…という患者さんは多いようで、この記事をネットで見つけて、はるばる京都府外から2,3時間もかけて施術希望でお越し下さる方が時々おられて、驚かされます。 炭酸ガスレーザーを持っているクリニックはかなり多いと思いますが、頭のホクロの除去に使用している施設は意外と無いようです。

ここで一つ注意点があります。頭のホクロ除去には炭酸ガスレーザー治療がお勧めと繰り返し書いていますが、頭にできたできものが全てホクロであるとは限りません💡 後日改めてブログで紹介予定ですが、悪性腫瘍など、レーザーで取ってはいけない症例も多数あります🈲👎❌

頭のできものでお悩みの方、まずは必ず保険診察が必要となります。診察して手術による切除、縫合が必要である、と判断した場合は適宜大学病院などに紹介させていただいております。ご理解よろしくお願い申し上げます。

あや皮フ科クリニック|京都市上京区 西陣|一般皮膚科 美容皮膚科

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