頭のできもの レーザーで取ってはいけない症例

前回はレーザーで除去可能であった頭のできもの(ホクロ)の症例を紹介しました。

逆に今回はレーザーで取ってはいけない症例🈲👎❌を紹介したいと思います。

 

症例①

臨床像:2×1.7㎝の腫瘍。前回ブログの症例と比較して、表面がつるっとしていて、茶色の色味がありません。触診したところ、頭皮にしっかり根を張っている感じがありました。炭酸ガスレーザー治療希望で受診されましたが、手術による除去が必要と判断し、総合病院に紹介させていただきました。

病理画像:脂肪の層まで深く腫瘍組織がありました。

病名:軟性線維腫

軟性線維腫は良性の腫瘍です。ただ今回の例は腫瘍が脂肪のレベルまで深く存在していたので、手術で取るのが妥当です。

 

症例②

臨床像:一見すると先ほどの腫瘍と少し似ていて、表面がつるっとしていますね。でもよく見ると中央部に青みがかった色素部分が見られるのと、腫瘍表面全体に毛細血管の拡張があります。

病理画像:皮膚科ドクターなら、病理像を見れば一発で病名がわかりますね。

病名:基底細胞癌

悪性腫瘍なので、もちろんレーザー治療はダメです。手術で周辺の皮膚も含めて全切除する必要があります。

 

症例③

臨床像:中央部が潰瘍化して、痂皮も見られます。これはさすがに一目でレーザーで取ってはいけない、「やばい例」とわかりますね・・・😓(病理画像はありません)

病名:有棘細胞癌

こちらも悪性腫瘍なので、手術による全切除が必要です。

(症例②、③の写真は公立豊岡病院皮膚科部長、秋山創先生にご提供いただきました)

 

以上、レーザーで取ってはダメな症例を良性、悪性合わせて3つご覧いただきましたが、いかがでしたでしょうか? ③はともかくとして、①、②は一見すると綺麗な形ですし、写真だけ見るとレーザーで取れそうな気がしてしまいますね・・・😱 実際の臨床現場では病歴を詳細にお聞きし、ダーモスコピー検査等も行って、レーザーで除去できる症例か、慎重に判断させていただいております。

繰り返しになりますが、頭のできものでお悩みの方、上記のように悪性疾患が紛れ込んでいる可能性がありますので、必ず保険診療時間での診察が必要です。診断によっては、適宜総合病院皮膚科に紹介させていただいております。

ご理解よろしくお願い申し上げます。

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