両頬に多発する灰色のシミ、ADMかも知れません

今回はシミの一種、ADMについてご紹介いたします。
ADM(エーディーエム)は日本語で後天性真皮メラノサイトーシスと言い、Acquired Dermal Melanocytosis の頭文字をとってADMと略されています。

便宜上「シミ」と書きましたが、ADMは皮膚のやや深い部分である真皮にメラノサイトメラニン色素を作る細胞)が増えており、シミと言うよりは青アザの一種の病態です。ADMは20歳前後で出現してくることが多く、左右対称に分布することが多いです。
頬骨付近の例が最も多いのですが、中にはまぶた、額、鼻などにも出現することがあります。ADMの出現する部分を下のイラストにまとめました。ADMは出現する顔の部分によって、色素の出る形状に差があります。

①頬骨の部分:一番多い。小判型で多発することが多い

②目の下:帯状に出現。クマと間違われていることがある。

③鼻根部:べたっとした感じで出現(びまん性)

④鼻翼部:細かい小斑状

⑤こめかみ:細かい小斑状

⑥額外側:べたっとした感じに出現(びまん性)


10代、20代の若い患者さんはADMのみ出ている症例が多いのですが、30代以降の患者さんでは肝斑など他のシミと混在していることも多くあります。ADMは「青あざ」の一種なので、肝斑や加齢による茶色のシミとは色が異なっており、やや青みがかっていたり、グレーのような色調が特徴です。下の写真は実際のADMの症例写真です。

ADMの治療法ですが、ADMに効果のある治療は、ピコレーザーまたはQスイッチレーザーのみです。レーザー治療の中でもトーニングやフラクショナル等のマイルドな照射方法では効果が無く、強く当てるスポット照射でないと治療できません⚡️ IPLなどの光治療、トレチノイン等の塗り薬、トラネキサム酸やビタミンCなどの飲み薬の美肌治療では効果が得られません。人気のゼオスキンセラピューティックなども効果はありません。 IPLは当院ではフォトフェイシャル「m22」という名称の機器。その他のIPLの機器名としてはライムライト、ノーリス、ルメッカ、BBLなど。当院のm22も含めて、全てのIPL機器はADM治療には効果がありません。

ADMはレーザーをスポットで強く当てる必要があるので、どうしても炎症後の色素沈着が強く、長期間出てしまうリスクがあります。色素沈着の出ている期間は日焼けや、こすったり掻いたりする刺激を避け、ハイドロキノン等の美白外用剤を塗って、徐々に薄くなっていくのを気長に待つことが大切です。
ADMは加齢のシミと間違われて診断されていることも多く、適切な治療を受けられていない場合があります。レーザートーニングやフォトフェイシャル治療を何回か受けてもシミが改善しない方は、ぜひ一度ご相談下さい😉

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