今回は水虫と間違えやすい病気で、「点状角質融解症」という病気のご紹介です。
足に生じる病気なのですが、文字通り足の角質が点状に融けてしまう(!)病気です。
「融ける=とける」、と言っても実際は虫食い状に凹凸ができるだけですので、ご安心を~😅
よく水虫と間違われていることがありますので、同じような症状で悩まれている方がおられましたら、参考になさってください。
今回の患者さんは高校生の男性で、10月中旬から足裏がブツブツしてきたということで受診されました。
初診時
足裏と足指の角質が虫食い状に陥凹し、ボコボコした状態になっています。
念のため顕微鏡検査をしましたが、白癬菌(=水虫菌)はいませんでした。
運動部に所属されており、よく汗をかくという環境であり、点状角質融解症が最も疑われました。
抗生物質の外用剤を処方し、塗っていただくことにしました。
再診時
初診から約1ヶ月後の状態です。かなり良くなっています。
ご本人のお話では塗り始めて1週間くらいで改善したので、現在は薬を塗っていないとのことでした。
中央部にまだ一部皮膚がふやけた状態のところが残っているので、もうしばらく塗り薬を塗るようにお伝えしました。
点状角質融解症はCorynebacterium(コリネバクテリウム)属などの細菌が産生する酵素により、角質が融解されることで生じます。
汗をかくことが多い夏場によく発症しやすいですが、足が蒸れやすい環境に常時いる方は通年発症する可能性があります。
見た目から水虫と間違われることが多く、患者さんが市販の抗真菌薬を塗っているケースも多いです。しかし点状角質融解症の原因は細菌であり、水虫(真菌=カビの一種)と異なるため、どれだけ頑張って塗っても残念ながら効果はありません。
治療は先述した通り、抗生物質の外用剤が有効です。
水虫がなかなか治らない・・・、と悩んでいる方、もしかしたら点状角質融解症かも知れません。一度皮膚科で相談されることをお勧めいたします😉
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