日光角化症

すっかりブログからご無沙汰しておりました💦

なんと最後のブログを書いてから、3か月近くも経っています。

『1月行って、2月は逃げて、3月去って』、と言われますが、まさにその言葉通りあっという間に月日が過ぎ去ってしまった感じです😫

 

さて、今回は日光角化症という皮膚の病気のお話です。(光線角化症、老人性角化症と呼ばれることもあります。)

日光角化症は顔や手の甲など、日光がよく当たる部分に発症することが多く、特に60歳以上の高齢者の顔によく見られます。1カ所だけでなく、複数カ所に多発することも多くあります。

日光角化症」という名前の通り、発症には日光、すなわち紫外線が関連しており、非常に長い期間、慢性的に繰り返し紫外線の刺激を受けることにより、皮膚の表皮細胞が悪い細胞へと変化して発症します。

見た目は直径1~2㎝程度の赤みのある病変で、表面がカサカサとしていたり、更に進展すると厚いかさぶたが付いた状態になることもあります。

実際の例です。

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70代の患者さんで、左の眉毛の端に赤く、表面がカサカサした病変があります。

当院を受診される2年前から症状があり、他の医院で湿疹の塗り薬を処方されて、ずっと塗っていたけど治らない・・・、ということで受診されました。

実はこのように日光角化症が湿疹と間違われている例は結構あります。

この方は皮膚生検(局所麻酔をして、皮膚を一部切り取って調べる検査)を行い、日光角化症と診断を確定しました。

 

更にもう1例紹介を。

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こちらの患者さんは矢印2カ所に日光角化症が見られます。

先ほどの例よりガサガサ感が強く、かさぶたがより厚く付着しています。発症して、更に長い時間が経過しているものと思われます。


日光角化症は前癌病変と言って、皮膚癌の一種である有棘細胞癌の一歩手前の状態です。 悪い細胞が表皮の中におさまっている状態で、表皮には血管がないため、癌細胞が血流に乗って移動することはないので、この段階では転移などを心配する必要はありません。似たような症状がある方は一度皮膚科を受診することをお勧めします。

日光角化症の多くは癌に進展することはありませんが、表面がただれていたり、病変全体が盛り上がったような状態になっている場合は、癌に進展している可能性もありますので、早めに皮膚科専門医を受診しましょう。

 

次回のブログでは日光角化症の治療について書きたいと思います。

 

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