鼻下のホクロ除去は傷跡リスクに注意!

今回は鼻下のかなり大きいホクロを炭酸ガスレーザーで除去した例のご紹介です。

まずは施術前の状態を見て頂きたいと思います。

施術前

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やや年配の患者さんです。幼少期からあったホクロが数十年単位で時間をかけて大きくなってきて、除去を希望して受診されました。サイズが10mm近くあり、かなり大きなホクロです。

鼻下は肥厚性瘢痕といって、傷跡が赤く盛り上がった状態になるリスクの高いエリアです。これはレーザーでホクロを取る場合だけでなく、手術でも取る場合も同様です。また今回のホクロはかなり唇に近接して位置しており、あまり大きく皮膚を蒸散するとリップラインが不明瞭になるリスクもあります。

 

ダーモスコピー像

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ダーモスコピー所見、経過から色素性母斑(ホクロ)と診断しました。

ご本人様に鼻下の傷跡のリスクの高さ、引きつれ、盛り上がり等々、リスクを十分にご理解頂いた上でレーザー処置を受けて頂くことになりました。

照射直後

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幸い深くまでホクロの色素が分布していることはなく、浅めに組織を削るだけで済みました。 上口唇の赤唇縁(リップライン)にもなんとかギリギリ触れずに蒸散することができました。

レーザー照射から3週間後

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通常のホクロ除去の場合はレーザー処置後から2週間で再診なのですが、今回はかなり大きいホクロだったので、3週間後に再診して頂きました。

鼻下のエリアは傷が残りやすく、傷跡が膨れたり、引きつれたりしやすいので、施術後のアフターケアも重要です。傷跡の盛り上がり、収縮を予防するために、創部の被覆剤を長めに継続して頂き、被覆剤の貼付を終了した後も傷の上からテープを貼るテーピング処置も2ヶ月程度継続して頂きました。

 

レーザー照射から3か月後

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傷跡が大きく盛り上がることも無く、なかなか綺麗に治っているかと思います。

傷の赤みはまだ残っていますので、以降もこすったり、刺激を与えないように注意は必要です。

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コンシーラーを塗ったところ、傷跡もほぼ目立たなくなりました

当院ではレーザー後のアフターケアとしてハイドロキノン入りのコンシーラーを塗ることをお勧めしております。

炭酸ガスレーザーでホクロを除去する場合、やはり皆さん気になるのは「どのくらいの傷跡が残るのか」と言う点だと思います。しかしこの疑問に答えるのは非常に難しく、サイズのみならず、年齢、ホクロの細胞がどの程度まで深く分布しているか、本人の肌質など複数の要素によって左右されます。 また同じ人であっても「取りたいホクロが顔のどの部分にあるか」によって傷跡は異なります。

最後に繰り返しになりますが、鼻下はレーザー施術後に傷跡が赤く盛り上がったり、キメが無くなった状態になるリスクの高いエリアです。 

レーザー処置を受ける前に十分にリスク等をご理解頂き、納得された上で処置を受けるようになさってくださいね。

 

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