日本皮膚科学会総会に参加しました

先週土曜日は終日休診して、日本皮膚科学会総会に参加しました。

休診日とご存じなく、わざわざ来院された患者さんもいたようでご迷惑をおかけいたしました🙇

日本皮膚科学会総会は昨年はコロナの影響でウェブ開催のみだったのですが、今年はハイブリッド開催となり、現地でも講演が行なわれました。

私はコロナワクチン2回とも済ませているので、現地に行くか迷ったのですが、今回もウェブ参加することにしました😃

 

↓ ↓ 診察室で一人きりで黙々と教育講演やスポンサーセミナーを視聴・・・。

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現地参加も企業展示があったり(日焼け止めやドクターズコスメのサンプルが貰えたりします😍)、普段は会えない遠方の先生達と交流できたり、お楽しみが色々とあるのですが、私のように体力が無さ過ぎる虚弱人間にはウェブ開催はとても快適なのです✨

現地の会場はスーツを着た方々向けに気温が調節されているのか、エアコン効きまくりで寒いんですよね😨 人気の講演はすぐに満席になってしまい、2時間立ち見なんてのもザラですし💦

そして会場は国際会議用の大箱なので、めちゃくちゃ広く、歩き回るだけでぐったり疲労困憊に・・・。正直毎回学会参加の二日目には体力が尽きて、教育講演の内容も頭に入ってこないほど疲れ切っていました。

でもウェブ開催ならそんなお悩みとすべて無縁なのです~😆 

更に嬉しい点は、教育講演の内容が後日ネットで配信していただけるのです♪

見たい講演が同じ時間にかぶっている場合は、今までは諦めるしかなかったのですが、これからはお家でゆっくり見られるなんて、めちゃくちゃ有り難いです✨✨

リアタイで聴いた講演も、うっかり一部聞き逃したり、よく理解できなかった内容もあるので、もう一度聴けるのは本当に感謝しかありません。

過疎地でなかなか学会に参加できない先生や、病気や子育てで現地参加できない先生とか、勉強できる機会を与えられて助かる先生は非常に多いと思うので、コロナ禍が終わっても未来永劫ウェブ開催は続けて欲しいと心から願っています🙏

色々と新しい知識を勉強して、日々の診療に活かせるように頑張ります🎶

 

あや皮フ科クリニック|京都市上京区 西陣|一般皮膚科 美容皮膚科

日光角化症の治療について

前回のお話の続きです。

日光角化症はどのように治療するか?

以前は手術で除去するか、液体窒素で凍結するくらいしか方法がありませんでした。

私が皮膚科に入局したばかりの十数年前、大学病院で研修中に鼻の頭に日光角化症ができた患者さんを担当したのですが、当時の治療は外科的切除プラス植皮術でした。 まず病変を切除して、その後大きく皮膚が無くなってしまうため、体の他の部分から皮膚を取って、欠損した部分に移植して覆う必要があるのです。つまり鼻から病変を取るのと、移植のための皮膚と2カ所を切らないといけないわけで、なかなか大がかりな処置が必要でした😣

現在は上記の治療に加えて、塗り薬があります。イミキモドといって、塗った部分の免疫を局所的に高めて治療するという、面白い薬です。 

 前回紹介した患者さんは二人ともイミキモドで良好な結果が得られたので、紹介したいと思います。ただイミキモドは副作用が強く出ることもあり、塗った部分がただれてしまう方もおられます⚡

 

治療前

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治療開始後 2週間経過

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結構ただれてきています。幸いこの方は痛みはありませんでした。

 

イミキモド外用終了から2ヶ月半経過

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きれいに治っています。病変も消退した上、ただれも傷跡を残すこと無く治癒しました。

 

もう一人の患者さんです。

治療前

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治療開始後 3週間経過

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この方はこめかみ側の病変が少し赤くなった程度で、ただれは出現しませんでした。

 

イミキモド外用終了から1か月経過

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おおむね治っています。特に目立った副作用は出現しませんでした。

 

長年農業に従事しておられた方など、数十年単位で毎日長時間日光を浴びていた方は、顔全体に日光角化症が数え切れないほど散在しているなんてこともよくあります。そんな方には全部の病変に手術をするなんて不可能です(全部を手術で取ってたら顔が無くなるので・・・😅) なので、そのような方に塗り薬がよい適応です。

もちろんかなり厚みのある病変や、再発性の病変など外科的治療の方が良い例も多くあります。その辺りは個々の例によって異なります。

 

顔に赤いガサガサや、薬を塗っても治らない湿疹のような病変がある方は一度ご相談下さい。(日光角化症の治療は保険診療です)

 

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075-406-0100

 

 

 

日光角化症

すっかりブログからご無沙汰しておりました💦

なんと最後のブログを書いてから、3か月近くも経っています。

『1月行って、2月は逃げて、3月去って』、と言われますが、まさにその言葉通りあっという間に月日が過ぎ去ってしまった感じです😫

 

さて、今回は日光角化症という皮膚の病気のお話です。(光線角化症、老人性角化症と呼ばれることもあります。)

日光角化症は顔や手の甲など、日光がよく当たる部分に発症することが多く、特に60歳以上の高齢者の顔によく見られます。1カ所だけでなく、複数カ所に多発することも多くあります。

日光角化症」という名前の通り、発症には日光、すなわち紫外線が関連しており、非常に長い期間、慢性的に繰り返し紫外線の刺激を受けることにより、皮膚の表皮細胞が悪い細胞へと変化して発症します。

見た目は直径1~2㎝程度の赤みのある病変で、表面がカサカサとしていたり、更に進展すると厚いかさぶたが付いた状態になることもあります。

実際の例です。

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70代の患者さんで、左の眉毛の端に赤く、表面がカサカサした病変があります。

当院を受診される2年前から症状があり、他の医院で湿疹の塗り薬を処方されて、ずっと塗っていたけど治らない・・・、ということで受診されました。

実はこのように日光角化症が湿疹と間違われている例は結構あります。

この方は皮膚生検(局所麻酔をして、皮膚を一部切り取って調べる検査)を行い、日光角化症と診断を確定しました。

 

更にもう1例紹介を。

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こちらの患者さんは矢印2カ所に日光角化症が見られます。

先ほどの例よりガサガサ感が強く、かさぶたがより厚く付着しています。発症して、更に長い時間が経過しているものと思われます。


日光角化症は前癌病変と言って、皮膚癌の一種である有棘細胞癌の一歩手前の状態です。 悪い細胞が表皮の中におさまっている状態で、表皮には血管がないため、癌細胞が血流に乗って移動することはないので、この段階では転移などを心配する必要はありません。似たような症状がある方は一度皮膚科を受診することをお勧めします。

日光角化症の多くは癌に進展することはありませんが、表面がただれていたり、病変全体が盛り上がったような状態になっている場合は、癌に進展している可能性もありますので、早めに皮膚科専門医を受診しましょう。

 

次回のブログでは日光角化症の治療について書きたいと思います。

 

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顔イボ、気になりませんか?

今回はシニアの男性の顔イボを除去した例です。

 

70代の男性です。左頬の大きな病変が気になるとのことで、受診されました。

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年配の方、特に男性のお顔に似たような病変をよく見かけますね。

これは「脂漏性角化症」といって、良性の皮膚腫瘍の一種です。加齢や日光が原因で、中年以降に徐々に増えてきます。俗に「顔イボ」と呼ばれることもあります。

脂漏性角化症の治療を保険診療で行う場合、液体窒素凍結療法が選択となります。

病変が2,3カ所程度と少ない場合は液体窒素でも良いのですが、写真の方のように複数かつ広範囲にある場合は液体窒素はあまりお勧めの方法ではありません。顔全体のイボを液体窒素で凍結するのは非常に大変なので、何回も通院して頂く必要があります。

そして何よりお勧めでない理由が、頑張って通院して頂き、何回も液体窒素の処置を受けても、そこまできれいに治らないことが多いからです・・・。

表面の黒い盛り上がりが取れても茶色のシミ状の色は残ったり、むしろ繰り返し液体窒素で凍結することにより、かえって色素沈着になってガッカリ・・・、ということもよくあります。

仕上がりの美しさ、通院の手間を考えると炭酸ガスレーザーが圧倒的にお勧めです。

 

炭酸ガスレーザー照射後 約3週間

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 劇的ビフォア・アフター!!

まるで消しゴムで消したかのようにイボが消えて無くなっています ✨

元々70代と思えないほど肌の張りがある男性なので、イボが取れてかなり若々しい見た目になっています。

今回の患者さんは初め左頬エリアのみ除去したのですが、仕上がりに大変満足して頂いたので、現在お顔全体を何エリアかに分けて、左頬以外の部分も順次治療していっています。

並べて比較。

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このように多数の脂漏性角化症の病変を一度に取る場合、お顔を数エリアで分け、各エリアの病変の個数とサイズで概算の金額を見積もりしてお伝えしております。

まずは一度保険診療で受診の上、ご相談下さい。

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院長  山口 綾

 

デュタステリドの取り扱いを開始しました

毎日寒い日が続いていますね☃

私は冷え症がひどくて手足が氷のように冷たく、冬は本当に辛い季節です😵

患者さんを触診する際も、冷たい思いをさせていて申し訳ないです💧 

 

さて、タイトルの通りAGAの治療薬である、デュタステリドの内服薬の取り扱いを開始しました。デュタステリドは同じくAGAの治療薬である、先発品のザガーロのジェネリック薬です。

以前お伝えしたとおり、先発品のザガーロは2020年春に卸価格が値上げとなったため、当院でも値上げとなっています。

AGAの治療薬というのは、効果を持続させようと思うとずっと継続して内服しないといけないので、正直1か月で1万円超えの出費はきついですよね😓

手頃なジェネリック薬が発売となり、患者さんの選択肢が増えた上に、治療も継続しやすくなって嬉しい限りです。

 

・デュタステリド(ジェネリック薬) 30日分 6,900円

・ザガーロ(先発品) 30日分 10,800円

・フィナステリド(プロペシアジェネリック薬) 28日分 5,900円

(税別価格 初回カウンセリング・血液検査別途)

 

院長 山口 綾

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頭のできもの、レーザーで治療できます😊

頭皮にできものができた例です。

 20代の患者さんで、中学生の頃から頭に「イボ」があったとのことで受診されました。

診察するとキノコのような赤いできものがあります🍄

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このできものの正体、実は頭にできたほくろなのです。

頭にホクロができた場合、顔や体の黒いホクロとは異なり、通常の皮膚色や赤色となることが多いです。

頭のホクロは炭酸ガスレーザー治療が大変お勧めです。

保険診療で治療する場合、メスで切って縫合することになるのですが、頭皮に傷跡ができる上、手術の際には髪が邪魔になるので、どうしても一部毛をカットする必要が出てしまいます。そして術者の立場からも頭部は出血が多く、髪の毛で視野が確保しづらいので、正直やりにくい・・・。 

頭部の手術は受ける側も、行う側も大変なのです😓

逆にレーザーで取る場合は、このくらいのサイズのホクロであれば局所麻酔、レーザー照射すべて合わせて30分程度で済みます。

「取った部分がハゲになりませんか?」という質問をよく受けます。ホクロの細胞は頭皮の浅い部分にあることが多く、逆に毛根は皮膚の深い部分にあるので、レーザーで処置を行ってもハゲになるリスクは低いと言えます。

 施術直後

出血も無く、綺麗に取れていますね。 術後は抗生物質の軟膏を1日数回塗って頂きます。

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施術3週間後

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すでに傷から新しい毛が生えていますね。

傷口の赤みはまだありますが、髪の毛に隠れてほぼわからないと思います。

気になるできものがとれて、ブラッシングや美容院のヘアカットも楽になりますね😄

 

頭のできものでお悩みの方、まずはきちんと病変の診断をつける必要がありますので、一度保険診療での受診をお願いいたします。

 

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額のホクロ除去例

そろそろ年末が近づいてきましたね。

年末はほくろ除去や首イボ除去希望の患者さんが増える傾向にあります。

予約枠に限りがありますので、迷っている方はお早めに受診して下さいね。(ホクロ、首いぼ除去希望の方は、悪性所見の有無など判断する必要がありますので、まずは一度保険診療でお越し下さい。)

 

今回は額のホクロ除去例です。

40代の女性で「幼少期からあったホクロが徐々に大きくなってきた」との主訴で受診されました。

眉間近くのど真ん中、これはなかなか目立つ病変ですね・・・。

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局所麻酔をした後に炭酸ガスレーザーを照射、蒸散しました。

へこみができないように、実際の病変よりやや大きめに、なだらかになるように削っていきます。

↓ 直後の写真 ↓

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ここから2週間創傷被覆剤の貼り薬を貼って保護していきます。

 

2週間後

新しい皮膚が張って、治っています。傷跡の赤みが出ていますが、ここから段々と薄くなっていきます。色素沈着予防のため、美白作用のあるハイドロキノン入りのコンシーラーを塗ってしっかり保護して頂きました。

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レーザー処置から1年半後

たまたまお久しぶりに保険診察で受診されたので、経過を見ることができました。

わずかに色素脱失がありますが、へこみも無く大変綺麗に治っています。

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レーザー処置後は照射した私自身も、へこんでいないか・・・、傷跡が盛り上がっていないか・・・、再発していないか・・・等々、不安と心配でいっぱいなのですが、こうして久しぶりに経過をお見せ頂く機会を得て、綺麗に治っていると一安心するとともに、大変嬉しい気持ちになります

開業して2年経ちますが、今までにほくろの除去希望の方も本当に多種多様な方が来られています。若い女性はもちろん、学生さん、主婦の方、働き盛りの男性女性、ご年配の方・・・etc

当院は保険診療の方が多く来られますので、どなたも気軽に敷居低く受診できるかと思います。ほくろでお悩みの方、まずは一度ご相談下さい。

 

施術名:炭酸ガスレーザー

リスク:局所麻酔の痛み、施術後の赤み、炎症後色素沈着、傷跡の陥凹、ケロイド等

施術費用(全て税別):ホクロ サイズ7mm 12,000円、貼り薬 500円、カウンセリング料(初回)3,000円

保険診療で一度受診頂く必要があり、その料金が別途かかります(3割負担で1,100円程度)

 

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