ジベルばら色粃糠疹

今回はジベルばら色粃糠疹(ジベルばらいろひこうしん)という病気について紹介したいと思います。

あまり聞き慣れない名前だと思いますが、実はよくある皮膚の病気です。

ジベルばら色粃糠疹は10~30代の若い年代の方に多く発症し、春と秋に多いと言われています🌸🍁。風邪の症状が先に出現し、引き続いて皮膚症状が出現する例もあります。

まず初めに初発疹と言って、2~5㎝程度の少し大きめの発疹が体幹部に一つ出現します(下写真 赤矢印)、その後数日で親指程度の大きさの、楕円形の赤い発疹が多数出現してきます。それぞれの発疹は周りに鱗屑と言って細かい皮めくれが付いており、レースのふち飾りのように見えます。

発疹は体幹と四肢をメインに分布して、通常顔には出現しません。

↓↓ 背中ではクリスマスツリー状と言って、背骨が木の幹のように中心となって木の枝が広がるように皮膚のしわに沿って赤い発疹が多数分布します。

この病気の原因ははっきりわかっていませんが、多く言われているのが風邪のウイルスや細菌などに感染して生じる場合です。皮膚症状が出現する数日前に喉の痛みや咳などの症状があり、その後に発疹が出現してきます。ウイルスや細菌などが体内に侵入し、それ自体は重篤な病気ではないこと方が多いのですが、それらの病原体に対するアレルギーの様な反応で皮膚症状が出現していると言われています。

でも特に誘因なく出現している例も多く、詳しく問診しても特に大きなエピソードがないことも多くあります。

ジベルばら色粃糠疹の治療法ですが、特別な治療がなくてもおよそ1~2ヶ月で症状は改善し、自然に治っていきます。発症してから皮疹の出現が数週間続くことが多いので、なかなか治らないと不安になる患者さんも多くおられます。 痒みがなければ経過を見るだけでよいと思います。痒みが強い場合は、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服薬を処方して経過を見ていきます🩹

似たような見た目の病気には体部白癬、湿疹、乾癬などがあります。なかなかご自身で判断するのは難しいと思いますので、写真で紹介したような皮膚症状が出た場合は、皮膚科専門医を受診することをお勧めいたします😉

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